ポンプと聞いたとき、主に工場や工事現場などで使う装置をイメージされる人は多いのではないでしょうか。庭がある家などでは、そこに池を作り鯉などの魚を飼育することもあれば、庭がない家でも熱帯魚などの水槽を用意すれば魚の飼育は可能になります。自然界には水の流れがあり、水中で生活する生き物に対して酸素を供給することはできますが、水槽や池などの場合は自然界のような水流はないので同じような状態にする目的で水の循環を行い、酸素を供給しなければ生きて行くことはできません。水槽の中の水を定期的に入れ替えることも大切ですが、内部の環境を可能な限り自然界と同じようなものにするために欠かせないのがポンプです。
水槽の中の水を汲み上げ再び戻すといった使い道になるわけですが、魚に与える餌の残りや糞、その他のゴミ類などそのまま汲み上げればたちまちポンプ内部に詰まりが生じてしまうためフィルターを設置して余計な不純物を取り除くことが必要です。一般的には、フィルターとポンプは一体型になっているものが多くありますが、製品によりフィルターが別になっているタイプもあるので予算などに合わせて選ぶと良いでしょう。水流を作ることと水の循環で水槽内の環境を整える、このような目的があるわけですが水を循環させると汚れを取り除くことができるので、内部の環境が良くなるメリットもあります。ひと月に1度などの割合で水そのものの交換は必要になって来ますが、これは淡水魚の場合であればそれほど苦労はしませんが海水魚は文字通り海水の中に生息する魚ですから、近所に海がなければ市販されている海水の素を使うなどが必要になる、手間やコストも多くなりがちです。
浄化効果が高いフィルターや詰まりにくいポンプは、海水魚を飼育する上で海水の交換頻度を下げる効果と費用を抑える効果、2つのメリットがあります。ちなみに、水の交換をするときには内部の掃除も行うことになる関係からも、飼育している魚を網ですくいバケツの中に救出させておく必要がありますが、バケツの中も自然界とは異なる環境ですから酸素を送るための道具を使い酸欠状態にならないよう配慮が大切です。また、淡水の場合は水道水を使うことになりますが、水道水には殺菌消毒のための塩素が含まれていますので、半日から1日くらい日当たりが良い場所に水を汲んで置いておく、これを使うことで塩素による害を最小限にすることが可能になります。